近視矯正手術と裁判

レーシック手術の需要が近年急速に高まってきてますが、現在のように利用される方が多くなる以前には問題もあったようです。

 

レーシックについては、近視治療に関して専門知識を持つ眼科医でも賛否両論で、問題を唱える医師も決して少なくはなかったようです。
レーシックによる手術が行われる以前、近視矯正手術として採用されていたRK手術に関しては、過去に手術を受けた患者が術後の後遺症を理由とし担当医師やそのクリニックを相手に裁判になった事例も数件あるようです。

 

1991年 近視がひどく、仕事の際でのメガネ使用に不便を感じていたA氏(原告)は、近視矯正術に関心を持ち、被告となった担当医師の勤務するクリニックに連絡。
そこで、近視の状態をはかるための検査を一度受けるように勧められ、検査後、クリニックの医師からカウンセリングを受けたA氏が、RK手術が近視矯正において大変有用な手術であること、危険性は全くないこと、予約が先々まで詰まっているがたまたま今日キャンセルが出たため、当日であれば手術を受けられる、などの決断を促され、近視が治るならとA氏もこれを承諾し、当日の手術を受ける。

 

術後、乱視がひどくなるなどの症状が出たA氏は、以降2度に渡って再手術を受ける。しかし、改善どころか、さらに後遺症が悪化。そのため、クリニックや担当医師を相手に1千万円の損害賠償請求の裁判を起こします。

 

1998年に下された裁判の判決は、担当医に対し損害賠償の請求が認められ、原告側が勝訴。
手術の内容や近視矯正手術後に起こる、後遺症に対する説明などをしないままに手術を勧めたことに対し、説明義務違反が認められたとのことです。

 

レーシック手術においては、今のところは大きな問題となるような裁判事例はないようですが、いいことばかりを並べ術後の後遺症など、リスク面についての説明をしないクリニックは、やはり信頼しない方が良いといえるのかもしれません。